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このページに載っている話は、ごく一般的に知られているものがほとんどですが、 文章等、多少変更している点があることをご了承ください |
調べてみると、十二支自体が動物を当てはめるものではなかったみたいです。 『子(シ)、丑(チュウ)、寅(イン)、卯(ボウ)、辰(シン)、巳(シ)、午(ゴ)、未(ビ)、申(シン)、酉(ユウ)、戌(ジュツ)、亥(ガイ)』 これらは元々、年月や方位をあらわす為のものだったそう。 それが、王充(オウイツ)という十二支を伝える文献を記した人間によって、覚えやすいようにと動物が当てはめられたらしいです 私も昔から疑問に思っていた「未たないの未」を『ヒツジ』、「申すの申」を『サル』などと読ませる あの無理矢理さはこの為かと、妙に納得してしまいました。 さて、それはさておき、猫が十二支に入れなかった理由として伝わっているお話をしましょう。 昔話の例に漏れず、諸説あります。ので、これは一部のお話と思ってください。 |
昔々の大昔のある年の暮れのこと、神様は動物たちにこうのたまった。 「元旦の日、新年の挨拶に来なさい。一番早く来た者から十二番目の者までは、来年より順番に一年ずつ、その動物を称える年にしてやろう」 動物たちは、自分が我先にと争って着々と準備を進めていた。 ところがそんな彼らをを見回して困ってる動物が一匹。 「どうしよう、神様のところへ行く日はいつだったっけ」 その猫は、「正月は三日間あるし、小正月もあるよねぇ」と右往左往していた。 そうこうしているうちにも、ほかの動物達は来年は自分が主役だと息をまいている。 追い詰められた猫は、親しいねずみに聞くことにした。 「それは二日だよ。元旦は誰にも会ってはいけないと、決まっているだろう?」 「はぁ、なるほどそうだね。ありがとう」 素直に教えてくれるか心配だったが、やはり友達だと、猫は嬉しそうに帰り、来たるべき日を思いながら、安堵の眠りに落ちました。 かわいそうに、この猫はすっかりねずみに騙されてしまったのです。 さて元旦を目前に控えた大晦日。 「わしゃ歩くのが遅いからなぁ、一足早く出かけることにしよう」 そう決めていた牛は、暗いうちから出発した。 牛小屋の天井でこれを見ていたねずみは、「しめた、これで楽に一番乗りになれるな」と、ほくそ笑み、ぽんと牛の背中に飛び乗った。 そんなねずみの企みなど気付くよしもない牛が神様の御殿に近付いてみると、あたりにはどんな動物の姿も無い、振り返っても影も形も無い。 「やったぞぉわしが一番じゃぁ」 牛は喜んで朝が来るのを待った。 そして暫くすると一番鶏が声を上げ、それと同時に門が開いた。 「新年は牛年じゃぁ」 喜びいさんで門をくぐった牛は、神様の待つ玉座へと出来る限りの速さで歩き急いだ。 「神様! あけましておめでとうございますですじゃ」 神様の座間へ入るなりそう叫んだ牛に、神様は優しく微笑んで答えた。 「あけましておめでとう牛よ。約束通り、来年はお前の年だ」 「……来年ですと?」 牛は何が起こったかわからず、問い返した。 もう年は明けているので、一番なら今年の動物になれる筈なのにと。 「あぁ、ここに控えるねずみが、一番だったので、今年はねずみの年だ」 あの門を潜る瞬間、ねずみは牛の背を飛び降り、その俊足で神様の前まで走っていき勝ち名乗りを上げた為、神様はそれを一番と認めてしまっていたのでした。 さて、牛もかわいそうですが、もっとかわいそうなのは猫。 ねずみのせいで、「新年の挨拶にも来ないでいままで寝ていたのか! お前は帰って顔を洗え!」と叱られ、仕方なくすごすごと帰ることに。 それ以来、猫は毎日顔を洗うようになり、ねずみを見ては恨みを思い出し、追い回すようになったのでしたとさ。 ちゃんちゃん♪ |